ナミビア 〜Nombili のんびり〜

タイトルの「Nombili のんびり」とは私が活動している 地域のオシワンボ語の挨拶で「平穏」「穏やかな」という意味です。世界が平穏であってほしいと願いこのタイトルにしました。青年海外協力隊として活動しながら、大学院にて開発学についても学んでいます。様々な角度から綴っていきたいです。

日本福祉大学大学院 国際社会開発研究科の広報(国際協力キャリアガイド 国際開発ジャーナル社)

日本福祉大学大学院 国際社会開発研究科の広報依頼が、国際協力キャリアガイド 国際開発ジャーナル社からあったので、抜粋してこちらにも載せたいと思います。

 

「国際協力キャリアガイド」という雑誌への投稿となります。

これまでのブログに載せているような内容もありますがご承知ください。


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日本福祉大学大学院 国際社会開発研究科 国際社会開発専攻

Q.1国際協力をはじめ世界に関心を持ったきっかけを教えてください。
  ※具体的なエピソードがあれば、可能な範囲で詳しく教えてください。
中学生の時に授業でMichael Jacksonの「Heal the world」のプロモーション・ビデオを見た際、内戦や貧困等で苦しんでいる様々な人種の子どもたちの姿が印象的で、海外に興味をもつようになりました。
大学生の時にはオーストラリアの学校で日本語教師ボランティアを体験し、カンボジア旅行で貧困地域を見て、国際協力に興味をもちました。日本とは大きく異なる文化や時間の流れを感じ、いつか国際協力の活動をしたいという気持ちが沸き上がるようになりました。そして、教員として8年間、学校現場で働いた後、「現職教員参加制度」によってJICA海外協力隊としてアフリカのナミビアで教育に関する活動への参加をしました。ナミビアでの活動は教育事務所に配属され、管轄内の学校を巡回しながら、現地の教員へのアドバイスをしたり、ワークショップを実施したりして、教育の向上に貢献できるよう活動していました。

 

Q.2現在の研究テーマを教えてください。
  ※フィールド調査のご経験などもあればお教えください。
JICA海外協力隊と大学院を同時並行で2年間履修したため、これまでの教員経験を活かし、事例検討会をナミビアの現地の教員に実施することへの影響についてまとめました。
論文テーマは、「事例検討PCAGIP法がナミビアの教員の指導方法に及ぼす影響 ―事例提供者への関わり方に着目して―」でした。事例検討会とは、教育分野や医療・福祉分野などで実施されている会議で、事例を基に様々な意見を取り入れ、改善点を見出していくものです。その事例検討会を実施し、実施したときの状況や学校間の違い、実施した教員の気持ちや発言を分析し論文にまとめました。

 

Q.3日本福祉大学の学びでよかった点について教えてください。
日本での教育での経験はありましたが、これまでに国際開発や国際協力といった分野を専門的に学んだことがありませんでした。そこで、JICA海外協力隊での活動をしながら学びたいと思い、通信教育である本学を選びました。現地での経験を海外にいながら、学ぶことができ大変意味のあるものになりました。
ナミビアについての歴史的背景や教育制度、教育行政や教員養成について文献を調べることで、現地の教育官や教員とも、歴史や教育に関して深い話をすることができるようになりました。
また、国際開発や人類学という視点で、先進国といわれる欧米・日本で実施していることを開発途上国といわれる国々ではそのまま技術を移転できるとは限らないということや逆に軋轢を生んでしまうということを体系的に学び、日本の教育をそのまま生かすことができない可能性があるということに気づくことができました。様々な背景などを俯瞰的に考えることができるようになりました。

 

Q.4 大学院進学を検討している読者に対して、ご自身の経験から大学院で学びの意味など、伝えたいことがあればお聞かせください。
 JICA海外協力隊と大学院を同時並行で2年間履修し、大切にしてきたことは、この大学院で修士号を取得することが目的となってはいけないということだと思います。
日本福祉大学大学院国際社会開発研究科では様々な職種の社会人の方が在籍しており、その方たちが口々に話をしていたのは、現在、取り組んでいる仕事や活動などに生かす姿勢が大切であるということです。社会人という立場上、研究フィールドは、目の前に広がっており、机上の空論ではいけません。
履修した科目「国際保健論」で三大感染症HIV/AIDS」「マラリア」「結核」の討論をしました。日本ではなじみが薄いですが、アフリカ、ナミビアでは重要な改善すべき課題として存在していました。私はマラリアの予防薬を飲んで生活し、HIV/AIDSは学校で取り扱うことが多く、学んでおいて良かったと心から思いました。また、現地で起こっている問題を学習の中で取り扱うということができ、相乗効果もありました。
大学院で学ぶにあたり、本来していることがおろそかになってしまっては、元も子もありません。卒業することだけを目的とせず、目の前の活動や仕事を大切にしてほしいです。
最後に、論文執筆は想像以上に大変です。睡眠時間を削って執筆し、頭痛に襲われたこともありました。レポートなども定期的にあるため、自身の生活とのバランスを考えなければ難しいと思います。仕事をしながら、在籍している方がほとんどであるため、これらのことを参考にしていただければ幸いです。
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