JICA海外協力隊、ナミビア派遣 帰国報告会2020年12月オンラインにて
2020年12月、JICA海外協力隊の帰国報告会があり、私はアフリカのナミビア派遣の隊員として、報告を行いました。約70人もの方々が報告会に参加していただきました。
市区町村の表敬訪問にて、発表した内容とほとんど一緒となりますが、一部スライドを変更した点もありますので、再び掲載させていただきます。
また、JICA中部では私の発表した箇所がYoutubeへ限定公開していますので、そちらをご覧いただければ、どのような発表をしたのかがわかります。
私は、 2020年3月に協力隊として任期を終えて、派遣された国で全うできた最後の隊員の代となります。後輩の隊員たちは、日本に緊急帰国をした後、日本で任期を終了した人たちがおり、本当に悲しい想いをしています。
そういった意味でも、約2年を異国の地を過ごしたJICA海外協力隊としての活動を紹介できる機会を頂けたことに感謝しなければなりません。
まだJICA海外協力隊の派遣ができない状況が続いています。さらに、アフリカでは第3の変異型のウイルスがナミビアの隣国、南アフリカで発生しているというニュースも流れてきています。
それでも、こうして興味をもってこの報告会に参加された方々がたくさんいることに、驚きがあったとともに、早く感染状況が良くなり、派遣が再開されることを祈るしかありません。
この報告をしたことで、様々な質問がいただくことができ、自分自身考えるきっかけとなりました。現職の教員がどのように子どもたちに、還元しているのかという質問もあり、どのようなことを行っているのか伝えていく必要性もあると感じました。
質問された内容は動画の中で答えていますが、それについてまとめました。その他にもメールにて、質問があったため、こちらに回答を載せさせていただきます。
〇現地で食べられているモパネワームは成長するとどんな虫になりますか。また、どんな味ですか。
蛾になります。現地の方々のたんぱく源となっており、煮干しやシシャモのような味でした。
〇現地語で授業をしていたのですか。
ナミビアでは英語が現地語のため、基本的には英語でした。しかし、小学校1~3年生は現地語の授業のため、自分で現地語を覚えたり、細かい点については、現地の先生に英語から翻訳してもらいながら、模擬授業をしていました。
ちなみに、4年生から全教科が英語の授業になります。
〇授業研究は指導案を作成しましたか。
指導案をつくってもらうということまでは、実施しませんでした。指導案をつくる段階で現地の先生が心が折れてしまっては元も子もないため、授業実践をしてもらう前に、具体物やグループ活動をとりいれた授業をしていくように伝え、授業を見せてもらい、他の先生とフィードバックをしてというやり方をしていました。
〇日本の指導書などもっていきましたか。持っていくと良いものは何か。
日本の本や指導書をもっていきました。また、写真やイラスト付きのものを持っていくとよかったです。荷物になるため、PDFにするなどするとさらに良いかもしれません。
〇指導案をつくるというよりは、自分で授業をしていくという活動内容でしたか。
授業を見せることもしていましたが、多くの学校を巡回して授業をみせてもらい、改善点などを一緒に考えたり、日本の手法を伝えたりしていました。また、毎回訪問した際には、どのようなことを伝えたのか、レポートを校長先生や担当の先生に渡していました。
〇食事の違いに苦労したと思いますが、どのように乗り越えたか。また、どれくらいかかりましたか。
半年くらいかかりました。現地の人と一緒にお酒を飲んだりしながら、慣れていきました。
〇40度の発熱の際は、受診しましたか。
受診しました。ナミビアにおいては、一定の水準の医療は受けられるため、薬や注射などの処置を受けました。
〇こちらのアドバイスを受け入れてもらえましたか。
最初の頃は受け入れてもらえませんでした。
何度も訪問して、信頼関係を築き、徐々に連携が取れるようになっていきました。
事例検討会では、あまり訪問していなかった学校では、あまりうまくいかなかった学校もありました。
〇現地の教員の教育レベルや教員の立場はどうですか。高給取りですか
白人層がいる地域では、高い教育水準を受けることができます。しかし、地方の学校では、ただ教科書を読んでノートに写させるだけの授業や遊ばせているだけということもありました。
ナミビアでは、国として教育の向上に力を入れており、教員は優遇されており給料は高い職業です。他のアフリカの国では、教員のたちがあまり高くない国もあります。
〇現職教員として、今の職場でどのように活かしていますか。
SDGsが叫ばれており、国際理解教育において、教育に関することや砂漠化に関する世界の問題をナミビアでの経験を踏まえながら紹介しています。
〇小学校教育の活動内容では、指導する教科は算数が多いですか。
算数の割合が多いです。ただし、現地で必要だと感じたことを実践していくことが大切であると思います。実践した授業研究では、算数だけではなく、他の教科で授業をしてもらったこともあります。
〇質の高い教育とは何ですか。
子どもたちに理解できる授業が提供できることだと思います。
〇 共同生活のストレスは何か
突然知らない人が、家に来て親戚連れてきたり、トイレを掃除したらすぐに汚くしてしまったりしたことでしょうか。
そういうことも楽しむようにしていました。
〇活動での創意工夫は何か
とにかく関係作りを大事にした事です。
その関係がベースにあった上で、授業研究や学校巡回で一緒に教材をつくりました。
毎回活動のレポートを書き続けたことで、信頼も得られました。
当たり前のことですけど、やろうと思ったこともカウンターパートと相談しました。
〇赴任先の設備・教材はどう整っていたか
教育事務所なので、設備はある程度整っていました。必要な物は早めに一時帰国した際に日本で買って持っていったりしました。