中学生への国際理解教育(SDGs)②「もしも輸入や輸出ができない世界だったら?」〜JICA海外協力隊(ナミビア)を経て
中学生に、「もしも輸入や輸出ができない世界だったら?」というテーマのもと、どんな世界になるのか、考えてもらいました。
最後に「もしも、輸入や輸出ができない世界だったら?」というテーマをもとに、生徒たちに
「良いこと」「悪いこと」「どちらともいえない」ことに分けて意見を出してもらいました。そして、ポスターにまとめました。
中学生からは、以下のような意見が出てきました。
良いこと
輸入や輸出でのトラブルがなくなる。
日本の産業が守られる。
日本独自のものが残る。
石油などの代わりのものを研究し日本の科学がすすむ。
輸入による外来種などが来なくなり、在来種がいなくなることがなくなる。
魚の文化が増えるかも。
外国の勉強がいらない。
輸入したものから、未知の菌を持ち込むリスクが減る。
国内自給率が高くなる。
「悪いこと」
いろんなものが入手できなくなり、生活に困る。
国家のお金がたまらなくなり、税金が上がる。
いざというときに、他国の関係がなければ助けを求めることや避難所をつくることができない。
車などの輸出ができなくなり、日本の利益がなくなってしまう。
物が足りなくなった国が他の国から盗んで戦争が起きる。
国と国とで争いが起きるかもしれない。
車やストーブなどの燃料を使う物がなくなる。
大量生産がされにくくなり、価格が高騰する。
輸入や輸出が盛んな日本は自給率が低いため、自立することができない。
他国の文化や情報のやり取りができなくなってしまう。
食料や衣類などが不足してしまう。
外国との商品の競争ができなくなり、よりいいものが作られなくなる。
最新の技術を共有できなくなる。
経済的に自立できない。
食べられるご飯の種類が限られる。
不安定な世界になってしまう。
世界の発達があまり進まなくなってしまう。
国内の資源が尽きてしまう。
機械のもととなる資源が手に入らず、たくさんの会社が潰れてしまう。
「どちらでもない」
独裁国家になってしまう可能性がある。
地球温暖化の進行。
すべてのものを日本でつくることとなる。
もしも輸入や輸出ができないと「悪いこと」として、日本の生活には欠かせないもの、燃料や衣服などが手に入らなくなってしまうこと、工業製品などの会社がつぶれてしまうこと、戦争が起きるなどが多くの意見がありました。
また、輸入や輸出ができないことで「良いこと」もあることを挙げられていたことが印象的でした。日本の食料自給率が上げられることや日本の伝統的な製品などが守られるなどの意見もありました。
しかし、良い面は見つかったとはいえ、輸入と輸出ができなくなることは、日本が自立して生きていくことは、難しい世界だといえます。
SDGsでは、難民や貧困に苦しむ人々にフォーカスすることがありますが、今の暮らしは世界の国々や人々に支えられて、動いているということを感じられる内容となったのではないかと思います。
今の暮らしと世界がどのようにつながるのか、生徒たちが世界に目を向けるきっかけになれば、幸いです。
参考資料はこちらとなります。
国際理解教育の教材や指導案など役立つものが掲載されているJICAサイトがあります。