ナミビア 〜Nombili のんびり〜

タイトルの「Nombili のんびり」とは私が活動している 地域のオシワンボ語の挨拶で「平穏」「穏やかな」という意味です。世界が平穏であってほしいと願いこのタイトルにしました。青年海外協力隊として活動しながら、大学院にて開発学についても学んでいます。様々な角度から綴っていきたいです。

JICA海外協力隊、ナミビアの2年間を振り返って(ナミビア通信~のんびり~最終版) 

これまで過ごしてきた家族のような地域の人々と別れ、大きなウシやヤギの群れが歩く姿、きれいな天の川の星々や南十字星が見られないのは、寂しいです。

 

これまでナミビア通信で、世界観が少しでも広がってほしいという思いから、様々な協力隊員にインタビューをしてきました。

同じ協力隊員でも、活動内容が異なり、私にとっても多く学べる機会となりました。最後は、私自身の振り返りも兼ねて、自分へのインタビュー形式で活動を紹介していきたいと思います。

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JICA冊子クロスロード

・活動の内容を教えてください。

33校を管轄する教育支所に配属されており、ナミビアでは初めて教育事務所で活動する協力隊員でした。同僚の教育官と学校を巡回し、模擬授業を行ったり、授業を観察し現地教員へアドバイスをしたりしました。また、定期的にワークショップの開催もしました。教材を紹介する際には、「1.現地にあるもの」「2.つくりやすいもの」「3.その場で一緒につくることができるもの」を意識して取り組みました。学校にポスターやカラーペンなど文具があまりそろっていないなどの問題があるため、段ボールを利用したトレーニングラダーを紹介し、実物を見せて一緒に作りました。また、裏紙を回収するリサイクルボックスを設置するように声を掛け、A4用紙の裏紙を集め、それを使ったカード教材などを作りました。

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ラダーづくり

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Recycle box




 

・なぜ青年海外協力隊に参加しようと思ったのですか。

中学生の時に授業でMichael Jacksonの「Heal the world」のプロモーション・ビデオを見た際、内戦や貧困等で苦しんでいる様々な人種の子どもたちの姿が印象的だったので、海外に興味をもち、大学生の時にはオーストラリアの学校で日本語教師ボランティアを体験しました。

また、カンボジア旅行で貧困地域を見て、海外での教育に興味をもつようになり、これまでの教員経験を生かして海外で活動したいと思うようになり、参加を決めました。

 

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ワークショップの一場面

 

 

ナミビアでの活動で印象的だったことや現地の人たちから学んだことはありますか。

子どもたちの教科書が全員分はないことや、書くものを持っていない児童生徒がいるという問題が印象的でした。小学校4年生からすべての授業は英語での授業が始まり、昇級試験が始まります。留年制度があり結果次第では次の学年になれません。日本では教科書が揃い、教材も豊富にある環境が当たり前ですが、モノのありがたさについて考えないといけないと思いました。また、ナミビアでは、食事やモノなど共有をする文化があります。こうした背景からか会議やワークショップなどでは、「私はこう思いました」と必ず意見を述べ、自分の考えを伝えます。私もできるだけ意見を述べるようになり、相手を尊重して自分の考えを他の人と共有する大切さについて学びました。

 

 

・活動で大変だったことを教えてください。

はじめは何をすれば良いのかわからず、戸惑うことが多くありました。特に、村の学校を巡回するためにどのように行けばよいのか、どこに学校があるのかがわかりませんでした。その解決策は、人とのつながりになりました。教育事務所で活動していると、多くの会議にも参加します。その際に、校長先生と交流を深め、連絡先を交換し、学校訪問が可能か、送迎はしてもらえるかなどの話をして、徐々に学校の巡回ができるようになりました。その他、森の中の道なき道を車で進み、森の中から急に現れるような村の学校が多くあります。教室のガラスは割れ、靴のない子ども達が多くいて、驚きました。街の学校では、ある程度、整った学校もあるため、そういった村と街とのギャップにも驚かされました。

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・最後に、2年間を振り返ってひとことお願いします。

 ナミビアへ行く前の気持ちを思い出してみました。「不安がない」とは言い切れませんでした。派遣される国は、JICAが最終決定します。「ナミビアってどこだ?」というのが最初の印象で、恥ずかしながらナミビアについて全く知りませんでした。アフリカのどんなところへ行くのだろうという不安を抱えていました。しかし、行ってみると、そこは美しい街並みや風景があり、そして、かけがえのない家族のような人たちと出会うことができました。また、活動を通して、ナミビアの歴史や教育など、様々なことを深く学びました。ナミビアにいるからこそ、いつでも飲める水や電気があることなど、日本の日常生活のありがたみを感じることができました。何気ない日常生活が当たり前ではないということを胸に刻み、日本へ帰国しても忘れないようにしたいと思います。

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同僚たち