JICA協力隊活動で失敗したこと、開発を考える上で大切なこと。
協力隊活動で失敗したこと、開発を考える上で大切なこと。
教室を見て、ほとんどの学校に時間割が貼っていなかったため、学校に時間割をつくるようにしてみようと考えました。
毎日の授業が時間割通りに行われていないことが分かってきたので、特別支援でよく使用される一日ごとに変えるタイプの時間割を紹介しました。
ナミビアで教材開発の支援をしていますが、赴任当初「タイムテーブル(時間割)」がないことに着目し、特別支援学校などで行っている毎日の時間割をつくるワークショップを地区の先生を集めて実施しました。教科ごとに色画用紙の色を変え、生徒にわかりやすいように作るように指導しました。
ワークショップ自体はうまくいきましたが、その後、学校を巡回しに行くと一部の学校では機能しているものの、学校では、タイムテーブル通りに動いていないことが多く、教室に飾ってあるだけで、使われている様子がありませんでした。
そもそも、学校には、タイムテーブルをつくるポスターがない。カラー用紙やカラーペンがない、取り換える用の磁石がないという状況が多く、新しく作ろうにも問題がありました。
それ以降、私は学校にあるものや現地の先生に合わせた教材を紹介することを心掛けるようになりました。
例えば、使用済みの裏紙を集め、それをつかった教材(折り紙や、算数のカードゲーム)を紹介し、リサイクルする箱(リサイクルボックス)を設置するように声を掛けるようになりました。
教材を紹介する際には、
「1.現地にあるもの」
「2.現地の先生がつくりやすいもの」
「3.その場で一緒につくる」
ことが大切であると思いました。
これらを意識しなければ、いくら紹介したところで現場の先生に浸透することは難しいと感じました。こうしたことを鑑みながら、学校巡回を行うようになりました。
開発においては、必要なものが「これだ」と思っても、現地にはマッチしないこともあります。根本的な問題が何なのかを見て、今できることは何なのかということを考えてから実施し、定期的なモニタリングをすることが大切なのではないかと思います。
参考文献:リハビリテーション国際協力入門(久野研二、中西由起子)