ナミビア 〜Nombili のんびり〜

タイトルの「Nombili のんびり」とは私が活動している 地域のオシワンボ語の挨拶で「平穏」「穏やかな」という意味です。世界が平穏であってほしいと願いこのタイトルにしました。青年海外協力隊として活動しながら、大学院にて開発学についても学んでいます。様々な角度から綴っていきたいです。

アフリカ(ナミビア)の差別と新型コロナウイルス感染症(2020年8月現在の状況)

2020年8月現在のナミビア新型コロナウイルス感染症の状況と3月まで現地にいた当時の様子、差別や偏見について考えたいと思います。

 

私は3月下旬に任期が終了し、日本へ帰国しました。3月はコロナウイルスが世界中に蔓延し、全JICA海外協力隊員が撤退し始めた頃でした。

ナミビアでも初めての感染者がスペイン人旅行者から発生し、ナミビア人の方々もとても敏感になり、首都ウィントフックでは急にマスクをする人が増え始めました。

同時にナミビア政府は外国人の出入国を禁止しましたので、ギリギリの帰国となりました。

 

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ナミビアの同僚と友だち

 アフリカの多くの場所ではアジア人を見ると、「China」と言って、カンフーの真似をしてバカにするような?しぐさを言う人もたまにいます。

このコロナウイルスのときは、街を歩くだけで、避けるようなしぐさや自分に向かって「Corona!!」と言って明らかな差別をされました。また、スーパーで買い物をしていると、店員からも「コロナ」と言われ、どこにも向けようのない腹立たしい思いもしました。

いつどこで感染するかわからない未知の感染症に対して、恐怖を抱くからこそ、このような言動が見られたとは思います。

 

 ナミビア人のハウスメイトや友達は、「中国人は、儲けるだけ儲けて還元しない」とよく口にしていました。もともと、中国人に対して差別的な言葉を向けるのもこうした印象があると思われます。そして、中国が発生源であることが助長されてこうした発言につながってしまっていると思います。

 やはり、ナミビアは首都圏や都市圏では医療技術は発展しているものの、一部のお金のある人しかうけることができません。蔓延した際には、貧しい人々は死と直結するということが直感的にわかるということも考えられます。

 

 ただし、すべてのナミビア人がこういった差別をするわけではありません。自分の過ごしてきた親しい人々は理解のある人がほとんどでした。教養のある人も多くいることも事実ですが、貧困や教育がきちんとされないということは正しい知識が養われないということも忘れてはなりません。

 

 先日、(2020年8月)ナミビアの元同僚に電話をしたところ、現在のナミビアの感染状況は累計感染者数が2000人を超えたとのことです。日本に比べると少ないですが、医療体制を考えるとやはり怖い存在であることは間違いありません。また、ほとんどは首都WindhoekやWalvisbayという輸出入を行っている貿易拠点となる場所からの発生だと言います。

 

ちなみにWalvisbayは、日本のマグロ漁船なども寄港しマグロの輸入が行われています。日本ではナミビアは、あまり知られた国ではありませんが、どこかで世界はつながっています。日本でも差別や偏見が簡単に生まれることもあり、ナミビアだからこれらの差別が起こったのではありません。

 今、アメリカでは黒人差別の問題が起こっています。日本ではあまり関心がもちにくいとは思いますが、日本も多くの外国人がいます。(実際に学校現場では多くのハーフの子どもや外国人が多くいます)そうした人たちは、外国人のルーツを隠そうとしている人もいます。隠すということは、日本でも差別や偏見があるということとも考えられます。

アフリカ、ナミビアで外国人というマイノリティの立場を経験した一人として、異文化の理解できる人間でありたいと思います。

 

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ナミビアの子どもたちと

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