ナミビア 〜Nombili のんびり〜

タイトルの「Nombili のんびり」とは私が活動している 地域のオシワンボ語の挨拶で「平穏」「穏やかな」という意味です。世界が平穏であってほしいと願いこのタイトルにしました。青年海外協力隊として活動しながら、大学院にて開発学についても学んでいます。様々な角度から綴っていきたいです。

バヌアツからのお便り 青年海外協力隊 ナミビア~日本~バヌアツをつなぐ

 

名古屋市教員、バヌアツ共和国の協力隊員に聞きました~

深谷知世先生 「小学校教育」隊員(小学校教諭)

 青年海外協力隊として、名古屋市から派遣されている深谷先生(同期隊員)にお話を伺いました。年末年始は、水も電気も通っていない同僚の村で過ごし、素晴らしい体験をしていたことを聞きました。ナミビアとバヌアツは、全く違う国ですが、話を聞いていると似ているところが多く驚きました。

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深谷先生

 

 

 

 

バヌアツは太洋州に位置し、オーストラリアの東にある小さな島々からなる国です。人口は約30万人。

 

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日本からバヌアツ

http://terakoya-pikinini.com/%E3%83%90%E3%83%8C%E3%82%A2%E3%83%84/から引用)

 

 

・職種(活動内容)

バヌアツの北部サント島にある小学校で、1~6年生を対象に算数を教えています。学校の敷地内に住んでいるので、毎朝7時ごろになると子どもたちの元気な声が聞こえてきます。バヌアツでは学校の中に住んでいる先生は珍しくなく、何軒かの家がある学校もあります。主な活動では、ブロックや時計などの教具が日本のように充実していないので、現地にあるものを使って作成したり、計算力をアップさせるためのゲームを考えたりしています。教具があると、子どもたちはぱっと目を光らせて、ワクワクしながら学ぶ姿に毎回癒されています。

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深谷先生

 

 

・バヌアツの印象について教えてください。           

言語の種類がとても多く、公用語のビスラマ語、英語、仏語の3種類に加えて、それぞれの村ごとにも言語があります。学校では主に1~3年生がビスラマ語、4~6年生が英語または仏語で授業が行われています。しかし、英語クラスであっても仏語が、仏語クラスであっても英語の授業があるので、バヌアツ人は自分の村の言語とあわせて最低でも3種の公用語が話せるので驚きです。国民はとてもフレンドリーで、仲良くなったらすぐ家に呼んでくれたり、外国人である私を家族の一員として受け入れてくれて一緒に出掛けたり、旅行に行ったりします。穏やかな人が多く、作物が豊富で食に困ることはなく、治安も良く、のんびりとした国です。

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・教員になった理由は何ですか。

みなさんは数学が好きですか?数学と聞くと、苦手だと感じている人が多いと思います。ところが、数学の問題でつまずいたとき、いろいろと考える中で「あ~!」と何かに気付いたり、少しヒントをもらって「そういうことだったのか!」と、答えを導き出せたりした経験はありませんか?私はこのような、数学ならではの瞬間を多くの人に感じてもらいたいと思い、教員を目指しました。また、算数・数学が日常生活でどのように役立っているのかということに興味をもち、子どもたちに算数・数学のおもしろさを伝えたいと思いました。

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算数の授業

 

 

 

なぜ青年海外協力隊に応募したのですか。

小学生のころ、父親の転勤でタイのバンコクに住んでいたことがあります。日本人学校に通っていましたが、当時は街中でも道端で自分より小さい子どもが働いていたり、お金を集めていたりして、日本との環境の違いに驚いたことを覚えています。そして大人になったら、自分の得意なことを生かして、国際協力をしたいと思っていました。私は大学で算数・数学教育を専攻していたので、算数教育に携わる活動は、自分がやりたいことと一致しており、条件が揃ってからすぐに応募しました。

 

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活動で大変だったことを教えてください。

初めは言葉の壁でした。授業をするとなると、学年に応じて言語を変えなければいけません。自分からの質問は事前に準備できたとしても、子どもの発言が聞き取れなかったり、自分の言いたいことがうまく伝わらなかったりしました。しかし、バヌアツの人々の素敵なところは、そんな私でも笑わずに、理解しようとしてくれました。バヌアツでは村によって言語が異なるため、同じ地域にいても、仕事や結婚などで移動してきた人たちは、当然その村の言葉は話せません。分かりやすい言葉を使ってくれたり、なんとか聞き取ろうとしてくれたりする優しさに、何度も救われました。「相手を理解しようとする」姿勢を見習おうと思います。

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・子どもたちへのメッセージをお願いします。

 私はバヌアツでたくさんの“family”ができました。もちろん血がつながった家族ではありません。しかし、バヌアツでは友達になったらもう家族同然です。友達を“sister”、“brother”と呼び、その両親を“mommy”、“daddy” と呼ぶ。気軽にお宅に訪問できて、困ったときはすぐに助けに来てくれて。もはや私の周りはみんな家族です。友達でも家族のように大事にする、一人一人がそう思っているからこそ、こんな温かい国になったのだと思います。「家族」とまではいかなくても、自分から周りの人を大事にして、それを波及させていきたいですね。

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ブルーホールと言われる観光名所

 

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バヌアツの民族衣装

 

 

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多くのビーチリゾートがある

 

 

ナミビア通信の内容を一部改編したものを載せています。

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